切羽へ/井上荒野 


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直木賞受賞作品 「切羽へ」


【あらすじ】
静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。夫を深く愛していながら、どうしようもなく惹かれてゆくセイ。やがて二人は、これ以上は進めない場所へと向かってゆく。
「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所のこと。宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった美しい切なさに満ちた恋愛小説。




なんでも筒抜けな島での生活が、高知の狭さと似てた。
高知を舞台にした、去年公開された映画「パーマネント野ばら」を思い出す一冊。
ほわっとした感じのセイと自由奔放に生きる月江は、まさに菅野美穂と小池栄子でした。


主人公のセイと島に現れた新任教師の石和。
物理的には二人の間には何も起こらないし、手も握らないんだけど確実に惹かれあう二人。
周囲もそのことに気付きながら、誰も言葉にはしない…。


私が深く印象に残ったのは、セイの夫です。
彼の穏やかな愛情と、妻を見守る姿が心に残りました。
島の言葉がまた良くて、博多弁っぽいんだけど優しい喋り方にキュンキュンしました。
二月の一人酒は祝杯だったのかー。。彼の深い愛情がセイを引き戻したんかな。



「切羽」とは"それ以上先へは進めない場所"のことであり、
"トンネルを掘る一番先端の場所"という意味もあります。
この場合の読み方は「きりは」。著者の妹の名前も切羽なんだって。
井上荒野、初めて読んだけど文章がキレイで恋愛小説では久々に当たりでした。
何とも言えない、切ない余韻が残る小説です。




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